竜ケ水災害復旧記念碑
  
碑の背景
コメント
1993年6月から7月にかけて梅雨前線の影響で鹿児島県を含む九州南部では総降水量が1000mmを超え、土石流や浸水の被害が発生した。 7月27日から30日の九州南部での雨量は100mm〜300oとなった。 8月1日には鹿児島県姶良郡を中心に時間当たり104mmの猛烈な雨が数時間降り続いた。 さらに、8月6日の午後、鹿児島市を中心とした地域で時間当たり最大99.5mmの雨が数時間降り続き、鹿児島市の雨量は一日で259mmに達した。 
この日、竜ヶ水駅付近では沿線約30カ所で土石流が発生したことにより鉄道と国道が前後を遮断され孤立し、自動車800台と駅に停車していた上下線の普通列車3両の乗客約2500名が取り残された。 
列車の乗務員は乗客のいない車両を崖が崩れそうな箇所に停車させて土石流に対する堤防代わりとして、乗客を避難させた。 
鉄道・国道で取り残された人々は近隣の漁船や桜島フェリー、海上保安庁の巡視船により海上から救出された。 
写  真
基本情報


所 在 地 : 鹿児島市吉野町
MapCode : 136 317 405*08
建 立 日 : 平成6年3月
建 立 者 : 九州旅客鉄道株式会社
         鹿児島地区復旧工事事務所
種   別  : 災害碑
撮 影 日 : 2022年11月18日


碑  文      平成5年夏、鹿児島県下は記録的な長雨と度重なる豪雨に見舞われ
    各地で甚大な災害が発生した。 特に八月六日の鹿児島市を中心とする
    集中豪雨により甲突川の大氾濫で市中は水没し、国道・鉄道共に
    寸断され陸の孤島と化す状況であった。
     ここ竜ヶ水地区では山腹の崖崩れが土石流となり 数十箇所で
    日豊本線とこれに平行する国道10号線を分断し、通行者住民
    約二千五百人が閉じ込められた。
     折しも竜ヶ水駅では豪雨のため停車中の上下2本の列車が
    錦江湾にまで達する大規模な土石流の直撃を受け
    車両三両が押し潰され大破したが幸いにも乗務員の機転により
    三百三十人の乗客は直前に脱出したあとであった。
     日豊本線の一日も早い復旧をと昼夜に亘る関係者の尽力により
    九月十九日、四十四日ぶりに開通した。
     この碑は復旧開通を記念すると共に再びこのような
    災害が繰り返されないことを願って建立したものです。
            平成六年三月吉日

    この碑の石は、土石流の中に含まれていたもので
    台石が9トン 碑文石が5トンの重量です。

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