新幹線の発祥地・鴨宮
碑の背景
コメント
東海道線の輸送力増強を図るために東海道新幹線が計画されたが、建設に当っては狭軌から標準軌、運行速度が最高220km/h等従来の鉄道システムとは全く異なるシステムが導入される事となった。 この為、新たに導入されるシステムや機器の実地試験を行うために1962年に綾瀬市〜小田原市(酒匂川手前)の約30kmが先行して建設された。 この区間はモデル線区と称され、デザインの異なる2本の試験車両(A編成:2両編成、B編成:4両編成)が準備された。 試験車両に使用される台車や装置・設備は数種類準備され、試験車両によるテスト走行により量産品を決定した。 このモデル線区の基地が鴨宮駅の東側にあった事により鴨宮が新幹線発祥の地と名乗っている。 
鴨宮駅を出た列車が酒匂川を渡る手前の山側に保線基地がある。 この場所がモデル線区の基地となっていた所であり、そこには「新幹線発祥之地」と刻まれた碑が国鉄により建立されている。この碑は東海道線から良く見る事が出来るが、碑のある場所には立ち入る事が出来ず、一般にはなじみがない。 この為、地元では新幹線発祥の地をPRする目的で鴨宮駅前に写真の碑を建立したものと思われる。 この碑を建立する為に地元企業などに寄附を募っているが、碑には寄附に応じた60名の方の名がかかれているがその金額は総額240万強となっている。

写  真
基本情報


所 在 地 : 小田原市鴨宮30
          鴨宮駅前
MapCode : 57381599*67
建 立 日 : 2006年3月
建 立 者 : 「新幹線の発祥地・鴨宮」
         碑建立事業実行委員会
種   別  : 発祥碑
撮 影 日 : 2009年 4月


碑  文            新幹線の歴史
 新幹線は日中戦争当時の一九三〇年代、輸送力増強の手段に「弾丸列車計画」として発案され、昭和十五年に計画が承認され工事がスタートしたものの、その後、太平洋戦争の戦況悪化で工事が頓挫しましたが、現在の新幹線の現在の新幹線は土地の買収や工事が進展していた区間を利用しました。 鴨宮区間もその一つでした。
昭和三十九年十月十日の東京オリンピックの開催に合わせるように、十月一日に開業しました。
新幹線は、昭和三十七年、鴨宮と綾瀬を結ぶ区間が試験線となり、この試験線は開業に際し、新横浜−小田原間の一部として、現在、使用されています。
東海道線鴨宮駅に隣接された試験基地は「鴨宮モデル線区」と呼ばれ、現在、「新幹線発祥之地」と制定された記念碑が建立されています。 夢の超特急と言われた東海道新幹線が昭和三十九年に開業して、早や四十五年の歳月が経とうとしています。
そこで、私共は、世界一速い・世界一正確で・世界一安全な乗り物、夢の超特急と言われた東海道新幹線の歴史を正しく、後世に伝えて行く為に「新幹線発祥地・鴨宮」の記念碑を建立し、地域のシンボルとして、又、世界にも誇れる歴史的にも貴重な遺産を風化させない為に、ここに記念碑を建立いたします。
又、この事業基金は全額を皆様方からの温かい浄財によって賄われました。 ご協賛を賜りました方々のお名前を碑に刻み未来永劫その証を称えます。
     平成二十一年四月吉日
     「新幹線の発祥地・鴨宮」碑建立事業実行委員会
               会長  高橋 隆一郎
                   (下府中地区自治会連合会会長)


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