東小金井駅開設記念碑
碑の背景
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東小金井駅から南東方向に延びる道を5分ほど行くと駅開設記念会館がある。 東小金井駅開設記念碑はこの記念館前に建立されている。 1889年4月甲武鉄道は新宿−立川間を開通させたが、この時の駅は新宿・大久保・柏木(東中野)・中野・荻窪・吉祥寺・境・国分寺・立川の9駅であった。 境・国分寺間では1924年に仮乗降場として武蔵小金井が開業したが、1926年には仮乗降場から停車場に昇格し武蔵小金井駅となった。 武蔵境と武蔵小金井の間は約3.5kmあり、碑文にある経緯をたどって、1964年9月に東小金井駅は開業した。

写  真
基本情報


所 在 地 : 小金井市東町3−7−21
        駅開設記念館前
MapCode : 5108596*35
建 立 日 : 1976年12月 3日
建 立 者 : −−−
種   別  : 開通・開駅碑
撮 影 日 : 2008年11月17日


碑  文  国鉄中央本線は 明治二十二年始めて一部の敷設を見た甲武鉄道を前身として開通したが 以来時代の進展と共に沿線各地の開発は年ごとにその著しさを加えている  中でもわが小金井は 都心に近い地理的好条件の上に本線の電化と複線化とは急速に人口の増加を招来し 特に駅を中心とする地域の発展性認識はますます高まってきた  この時勢に対し我らの先代もまた幾度か新駅設置の計画を試みたのであるが結局実現の運びに達せずして止んだ  その上大正十五年武蔵小金井駅の開設以来 本市東部地区一帯は 同駅と武蔵境駅との谷間的存在となり 眼前に鉄道を見ながら鉄道に恵まれずして今日に至ったのだ  ところがここ十幾年来急激な大東京の膨張により当地区の住宅化が日増しに盛況を呈するに至ったので 地元有志は 今こそと新駅の設置を早急最重要の大課題として強力な運動を展開すべく立ち上がった  すなわちまず昭和三十二年当地の同志は 新駅設置問題に関して小金井市東部地区住民大会を開催した結果 会長に鈴木市長を 名誉会長に福田篤泰代議士を推して ここに新駅設置促進会なるものを発足させた  しかるに当時当地域は国の制定による緑地帯としての遮断地区であって 駅を新設するなど一顧の余地さえ許さぬ特別地区ということであった  この重大問題に直面した地元はきゆう首真剣に熟慮を重ねて あるいは説明会を開いて衆智に訴え あるいは住宅地対策を計画して分譲地三万余坪の開放をする等種々苦心の交渉を進めたが 事態は容易に光明を発見し得ず 反対に国の計画は既定方針実現の線に沿って当地区全体を買収する旨提示してきた  事ここに至っては 我らはさらに奮起して対策を講じる必要に迫られ 百方苦心画策の末 我らもまた経済的方途をもってこの難関の打開に当たらねばならぬ覚悟を固め 改めて新駅設置協力会を樹立して会長に宮崎金吉氏を選任 (一)新駅用地ニ〜三千坪の土地提供と (二)建設資金壱億円以上のきょ出という二大方策を立て即刻これを実行に移した  まづ用地確保は地価騰貴前に手を打つと同時に他に約四千坪を買収して他日の売却による利益金を計上し 他方では寄付金の伸長にたゆみない奔走を続行した  たまたま昭和三十五年六月の本市議会は 地元の出資壱億円の負担能力如何を議決の成否条件とする旨伝えられたので 我ら協力会は 誓ってこの調達を確約することとし ようやくにして議会の議決を見るに至った  一方これと前後して 福田代議士の尽力により首都圏整備委員会から新駅設置を前提とする市街地変更の承認を得ることに成功したので 今日まで難色一本の国鉄から急転直下我らの主旨を了承する等諸案件漸次解決に進んで 同年十月二十ニ日待望久しかった新駅の設置がついに認可となり一同始めて喜色を浮かべることができた  しかしこの暁光を喜びながら続いて本会による資金金額の支拂いさらには貨物駅併設の難題出現等苦難の重来があって思わぬ長日月を費したが それらも関係者各位の善意と努力とによって逐次氷解し ついに昭和三十九年九月十日新駅めでたく誕生して 東小金井駅の新名もすがすがしく一同歓呼のうちに晴れの開駅を祝福した  顧みれば誠に苦難曲折の過去幾年月であり 望めば当地発展の将来を期待しうる礎石的事業であった  感無量の中に筆を執り由来を略述して碑文とする次第である  さて ここに特筆すべきは 前記協力会長宮崎金吉氏の功労である  氏はこの難関重畳の中に身を挺して東奔西走 その労苦と活躍とは実に筆紙の尽し難いものであった  時に孤立無援の苦境に立ち 時には健康を害するなど労苦の連続であったが よく初一念を貫徹して この大事業を成功に導いた原動力となった  その功績記してもつて後人に伝えるべく特に一筆を加えることとする
  昭和四十一年十二月三日  国   務   大   臣 福田篤泰 天額書
                    前東京都議会議員  小川精一 撰文

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