里見駅長殉職碑
碑の背景
コメント
国定駅は1889年11月両毛鉄道の駅として開業した。 この碑にある事故は開駅31年目の出来事である。 事故の内容は碑に記された通りであるが、鉄道職員が旅客を助けるために一命を無くす出来事はこの後も発生している。 なお、この碑は国定駅の南西100mの線路沿いに建立されている。

写  真

基本情報
 所  在  地 : 伊勢崎市国定町
         国定駅南西100m
 マップコード : 20689519*32
 建  立  日 : 1921年10月
 建  立  者 : 国鉄従業員有志
 種      別 : 慰霊碑
 撮  影  日 : 2008年 8月28日
碑  文    國定驛長鐡道局書記勲八等里見傳吉君碑陰ノ記
君ハ福島縣安積群山野井村安田傳十郎ノ第二子後里見氏ヲ冒ス明治三十四年ニ月職ヲ鐡道ニ奉シ夙ニ模範従事員ノ稱アリ
大正九年十月九日旅客列車國定驛進入ノ際居村ノ一旅客突如線路ヲ横斷セシトシ危機一髪君奮進能ク之ヲ救助シタルモ身ハ為ニ機關車ニ觸レ肉破レ血飛ヒ遂ニ兩脚ヲ轢斷セラル乃チ應急手當ヲ施スモ其効ナク脈搏漸ク衰ヘ懊惱頻ニ加ハリ氣息將ニ絶エントス而モ其苦患ヲ冒シ衣嚢ニ在ル驛金櫃ノ鍵ヲ同僚ニ授ケ且ツ旅客ノ安否ヲ聞ニ其無事ナルヲ聴キ敢テ一言ノ私事ニ及フコトナク莞爾トシテ終ニ逝ク享年三十八
嗚呼曷ソ其行為ノ勇敢ニシテ壮烈ナル誰カ血涙ニ咽ハサラン此報一タヒ傳ハルヤ天下ノ同情翕然トシテ集リ志士仁人詩歌ヲ寄セ金品ヲ贈リ英霊ヲ弔ヒ東村人為ニ準村葬式ヲ行ヒ鐡道大臣ハ賞金竝效績章ヲ授與シ鐡道従事員ノ儀表トシテ之ヲ推奨表彰セリ君亦以テ瞑スヘシ
茲ニ國有鐡道従業員有志ノ賛助ヲ得碑ヲ建テ其概ヲ録シ以テ後昆ニ貽スト云フ
    大正十年十月          宇都宮運輸事務所長茂又確ニ撰文
 碑文文意    国定駅長鉄道局書記勲八等里見伝吉君碑陰の記
君は福島県安積郡山野井村(現郡山市日和田町)安田伝十郎の第二子として生まれ、後に里見氏を称した。 明治34年(1901年)2月鉄道に就職をし、つとに模範従業員と言われていた。
大正九年(1920年)10月9日旅客列車が国定駅に進入してくる際に、村の一旅客が突然、線路を横断しようとし、危機一髪、君が突進してこの旅客を救助したが、君はその為に機関車と接触をし、肉は破れ、血は飛び、遂に両足を轢かれて切断してしまった。 すなわち、応急手当を施したがその効果はなく、脈拍は衰え、悩みもだえが頻りに加わり気息まさに絶えんとす。 しかもその苦しみを冒し、衣服に持っていた駅の金庫のかぎを同僚に預け、且つ、旅客の安否を聞き、旅客が無事であることを聴いて、一言も私事には触れずににっこりと笑って終に亡くなった。 享年は38歳である。
ああ、なんぞその行為の勇敢にして壮烈なる。 誰が血涙に咽ばないで居られよう。 この報が伝わるや、天下の同情が次々と集まり義をまもる人や情け深い人などが詩歌が寄せ、金品が贈り英霊を弔い、東村の人は準村葬儀を行った。 鉄道大臣は賞金並びに效績章を授与し鉄道員の模範として推奨し表彰した。 君もまたそれで満足すべきである。
ここに国有鉄道従業員有志の賛同を得て、概要を記録した碑を建立して子孫に残すと云う。

 戻る

inserted by FC2 system