懐かしの沼尻軽便鉄道を訪ねて
碑の背景
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20世紀当初、日本で産出される硫黄は高純度で海外に輸出されていた。 沼尻鉱山の硫黄も輸出されていたが、鉱山から磐越西線までの輸送において荷痛みによる損失が著しかったために1913年5月、日本硫黄により路線延長15.6km軌間762mmの沼尻軽便鉄道が敷設された。
1950年代になると四日市でアラビアからの原油の精製が始まり、硫黄も生産されるようになった。 これによる硫黄の生産コストが沼尻で採掘されたものの半分以下である1.7万/トンとなり、価格競争力がなくなり、沼尻鉱山は1968年に閉山された。 1950年代からの硫黄輸送の減少に伴い、硫黄輸送が主力であった沼尻軽便鉄道の経営状況は悪化した。 対策として旅客輸送の拡大を図るためにスキー場や温泉開発等を試みたが、1968年10月に会社は倒産し営業を休止、1969年3月に廃止された。
  
 写真・碑文   始発駅(川桁)から終点(沼尻)まで順に
駅   名 かわげた しろづ うつの
写   真      
碑   文 川桁は、沼尻軽便鉄道の始発駅として、商店が軒を並べるなど大変な賑わいを見せていました。
近くを流れる観音寺川は、今では桜の名所として知られており、満開時には、大勢の花見客が訪れます。
ここから川桁山の山頂までは、観音寺川の奥の林道を通り三時間半ほどです。
白津集落内には、樹高二十三m、周囲三.八m、推定樹齢四百五十年の典型的な傘松の樹形をした「白津からかさ松」があります。
集落の北東の山頂にある旧八手山城の城主、三浦経連の重臣の邸にあった木と伝えられ根元には三宝荒神(竈の神)を祀った小祀があります。
内野には、中世この地を治めた猪苗代氏の居城である「亀ケ城」の最後の城主第十四代猪苗代盛胤の墓があります。
盛胤は、伊達側に寝返ろうとした父盛国を諌めましたが逆に罪を着せられ追放されました。摺上原の戦いでは、葦名方として父と戦い、葦名氏の滅亡後は蒲生氏にも仕えず、寛永十年(一六四一)内野村で七十七才の生涯を閉じました。
住   所 猪苗代町川桁 猪苗代町八幡 猪苗代町八幡
マップコード 377 391 835*44 377 452 001*24 377 482 360*04
あいづしもだて おぎくぼ しらきじょう あいづひのくち
 
下館駅は、旧町内に向かうには最も近い駅で、沼尻軽便を利用し町へ行く人は、この駅を利用しました。今もとなりには当時のトイレがそのままの形で残っています。白地に藍の染め付けが施されているトイレは、昔ながらの色彩を残す珍しいものです。 荻窪停留所は、ここから五十m「ほど西の交差点にありました。停留所の西側は、当時は小高い山がたくさんありましたが、今では田園風景が広がり、秋の収穫時には磐梯山の紅葉と黄金色の稲穂が見事なコントレストを見せてくれます。 白木城集落は、明治二十一年七月の磐梯山噴火により、国道一一五号線付近から現在地に移転しました。以前の集落跡には、猫石様として祀られている岩があります。養蚕が盛んだった村は、この神に礼拝すれば養蚕に鼠が近づかないと信じられていました。 会津樋ノ口駅は、沼尻軽便鉄道の中間であったため、ここで列車の交換が行われ、駅周辺には店舗や旅館が立ち並び、人々が往来しました。 近くの天徳寺境内には、推定樹齢七百年の一位の木があります。木の奄ェ住職の枕元で「寺とともにありたい」と言ったことから境内に移植されました。
猪苗代町三郷 猪苗代町三郷 猪苗代町蚕養 猪苗代町蚕養
377 511 315*43 377 541 743*20 377 632 007*85 377 631 656*35
みょうけ すかわ きぢごや ぬまじり
名家停留所は、田んぼの中に一軒家のように建っていました。
停留所の西側には、当時としては東北最大級の十万七千キロワットを出力する秋元水力発電所が昭和十六年に完成し、主に東京方面に向けて電気の供給が開始されました。
現在の国道一一五号線が軽便軌道であり、集落に入る道路との交差部が酸川野踏切でした。ここは危険であったため、当時としては珍しく警報器が付けられていました。
集落の北東には、醍醐帝の第四皇子といわれ、百人一首で知られる「蝉丸」の墓があります。
この駅は、地区の主要産業である林業で栄えた駅です。
吾妻山系から切り出された木材や木炭は■運送店に依頼されて木地小屋駅から軽便に積み込まれ、主に関東方面に出荷されました。
■:○の中に通
沼尻駅からは日本硫黄株式会社が製錬した硫黄が積み込まれました。運搬された硫黄は、国内では化学繊維を作る材料として使われました。白糸の滝の東側にあった硫黄の採掘地は中ノ沢・沼尻温泉の源泉沸出地でもあります。
軽便が走る様になってからは、一年を通して湯治客やスキー客で温泉街が賑わうようになりました。
猪苗代町若宮 猪苗代町若宮 猪苗代町若宮 猪苗代町若宮
377 661 413*73 377 692 032*55 377 724 260*22 377 729 047*83
基本情報  所  在  地 : 上表による
 マップコード : 上表による
 建  立  日 : −−−
 建  立  者 : 猪苗代町
 種      別 : 跡地碑
 撮  影  日 : 2014年 6月24日
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